猫の兄弟

ちょうど一年になる。あの子たちを引き取ってから。キジトラの兄弟。オスのほうはおっとりどっしりしている。メスはすばしっこくて警戒心が強め。にーちゃんがいつも優しく妹を守ってあげている。自動えさやり器を設置しているのだが、設定した時刻になると機械が動き出して、ビー、ガラガラガラとエサが自動でお皿の上に落ちてくる。妹が真っ先に飛びついてガツガツと食べ始める。にーちゃんは後ろでじっと待っている。妹が食べ終わるまでじっと待っている。

こんな忍耐力のある猫を初めて見たぜよ。

かっこいいな、おまえ。

おなかがすきすぎているときは、我慢しきれなくて、妹の食べるお皿の端っこから手を入れて、キャットフードを掻き出そうとする。きゃわいい。あの猫パンチの手でキャットフードをすくっている。お皿を二つ用意すればいいのだけど、まあ、ひとつで兄弟でわけあっているからいいやと思って、ひとつのままだ。

そして食べ終わるとお互いの頭とか、顔とかを舐めあって毛づくろい。ずっとくっついている。仲良し。

これは、にーちゃんが寛容だから仲良しでいられるのだなあ、って。

寛容な猫。